オルカンの利確基準(S&P500と為替を加味)の考え方~円高株安に向けて~

優待・ライフスタイル
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こんにちは、しーぬんです!
私もオルカンやS&P500などの外国株インデックスに積立投資をしています。
おかげさまで株高&円安を背景として、順調に資産増加しています!
しかし、2024年7月現在、社会情勢としてドル安・円高に転じそうな雰囲気を感じております。
米国では利下げ、日本では利上げ期待が高まりから日米金利差が縮小し、現在のドル高・円安に対する修正が入りそうな雰囲気を感じております。そのうえで、株価が下落すると・・・

株安と円高のダブルパンチでオルカンの価格がグッと下がるのでは・・・?

という漠然とした不安から、利確の基準を持っておきたいという気持ちになってきました。

インデックス投資については、チャールズ・エリスの『敗者のゲーム』に示されているように、保有し続けるのが最適解とされてはいますが・・・為替の影響も考えると、その考え方に一辺倒になるのは危険な印象もあり、実際のデータをもとに検証してみたくなりました。
本記事のデータはPythonライブラリのyfinaceを利用して取得いたしました。後日、その方法も記事にしてみたいと思います!

Yahoo!Financeで取得できるドル円の最古のデータは1996年でしたので、1996年以降で検証しています。

S&P500の1996年以降の推移と年間騰落率

1996年から2024年7月までの年間騰落率の統計量は、次のように算出できました。
単純平均で年利 9.0 %で、標準偏差は17.7 %でした。
そのため、年利 26.7 % が偏差値でいうところの偏差値60に相当します!また、年利 44.4 % まで行くと偏差値70に相当します。

偏差値60程度のリターンが得られれば、いったんポジションを落としても良いかも?

データ数28
(1996年から2024年7月まで)
平均騰落率(単純平均)9.0 %
標準偏差17.7 %
最小値-38.5 %
25%ile値-0.2 %
中央値13.1 %
75%ile値23.6 %
最大値31.0 %
年間騰落率の記述統計量

1996年以降のS&P500の価格推移は、次のとおりです。
2012年まではヨコヨコですが、それ以降は右肩上がりですね。

S&P500 1996年以降の価格推移

1996年からのS&P500の年間騰落率は次のとおりです。

S%P500 1996年以降の年間騰落率

1996年からのS&P500の年間騰落率をヒストグラムにしたものは、次のとおりです。
株式投資はプラスサムゲームと言われるとおり、0より右側に分布のピークが来ています!

1996年からのS&P500の騰落率のヒストグラム

ドル建てで考えれば、ガチホしていることが正解のようにも思えます。

ドル円の1996年以降の推移と年間騰落率

1996年から2024年7月までの年間騰落率の統計量は、次のように算出できました。
単純平均で年利 1.7 %で、標準偏差は10.8 %でした。
そのため、年 12.5 % の円安、もしくは年 9.1 % の円高が偏差値でいうところの偏差値60に相当します!また、最小値・最大値も 20 % 程度です。簡単のため1ドル150円とすると15円程度の変動があると、よく動いていると判断できそうです。

データ数28
(1996年から2024年7月まで)
平均騰落率(単純平均)1.7 %
標準偏差10.8 %
最小値-18.8 %
25%ile値-5.0 %
中央値-0.2 %
75%ile値11.6 %
最大値22.0 %
年間騰落率の記述統計量

1996年以降のS&P500の価格推移は、次のとおりです。
およそ100円から140円のレンジで動いており、20円程度のオーバーシュートをするような動きですね。

ドル円 1996年以降の価格推移

1996年からのドル円の年間騰落率をヒストグラムにしたものは、次のとおりです。
一度トレンドができると数年は、同じ方向に進行するような動きですね。

1996年からのドル円の年間騰落率(棒グラフ)

1996年からのS&P500の年間騰落率をヒストグラムにしたものは、次のとおりです。
平均がやや0より大きいことから、全体としては円安傾向ながら、ピークがふたつあることから円高局面と円安局面があることが伺えます。

ドル円の年間騰落率 1996年以降のヒストグラム

S&P500とドル円の年間騰落率の相関関係

S&P500とドル円の年間騰落率を同じグラフに並べてみたものです。
グラフを見てみると2002年、2008年は株安と円高のダブルパンチを食らっていますね。
2021年以降をみると円安の影響で円建てのS&P500のリターンを押し上げていることがみてとれますね。特に2022年はS&P500の下落分を円安で打ち消している構図になっています。

また、多くの期間でS&P500とドル円の年間騰落率は、同じ方向に動いているようにも見えますが・・・

S&P500とドル円の年間騰落率

同じ方向に動いた回数を数えると、28回中14回という結果になりました。
また、年間騰落率の相関係数を計算すると0.15となりました。
そのためS&P500とドル円の年間騰落率については、統計上は、ほとんど相関がないという結果になりました。

まとめ

年間騰落率について、S&P500の動きと為替の動きの間には、相関がないことが分かりました!
そのためS&P500の動きと為替の動きは、切り分けて考えることがよさそうです。

  • S&P500は過去1年比で25%程度の上昇
  • 為替は過去1年比で10%程度の上昇

を基準として、一度ポジションの見直しをしてもよさそうに思いました。
特に為替によるリターン上昇については、一度利確して為替リターンを取っておくのもよさそうです。
そして、運よく円高に振れれば、より多くの口数を積立ができるようになります!
その点においては、円建てで外国株に投資する醍醐味といってもよいかもしれません。

なお、株式においては恐怖指数VIXであったり、為替においては米国10年債利回りなどもあわせて確認していくのがベストだとは思いますが、そのあたりの検討は今後の課題としたいと思います。

それでは~

byしーぬん

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